導入事例

調達事業における集計業務の作業工数を7割削減
xoBlosの導入で目に見える業務改革が実現した

  • 製造業
株式会社日立製作所 様
OT(operational technology)、IT(information technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力。モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野で、デジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。
従業員数:33,490 名/連結従業員数:295,941名(2019 年3月末現在) https://www.hitachi.co.jp/
草木康雄 様
インタビュー掲載日:2019年06月13日
POINT
  • 作業工数7割削減、現場からも「業務が楽になった」の声が
  • Webインタフェイス利用で外部サプライヤとのコミュニケーションがスムーズに
  • 業務改革が前に進んでいる手ごたえを具体的に感じることができる
ゾブロス使用業務
実績集計、実績管理
課題
  • 個別に行われている非効率な集計業務で全体像の把握が困難
  • マクロで集計をしたり、独自のシステムを組んだり、Microsoft Accessを使用していたが、属人化してしまう
効果
  • 各担当者のWebインタフェイス利用で作業効率が向上、リアルタイムでの集計業務も行えるように
  • メールを中心にやりとりしていた外部サプライヤとのコミュニケーションにも活用、やりとりがスムーズに進むように
導入時の状況
  • データの仕様の統一やルール作りに多くの時間を使った。仕様が標準化されたことで、今後のさまざまなデータ活用にも展開できる準備が整ったという点は大きい。
  • 業務が多岐にわたっているため、段階的に導入。 品目がたくさんある集計や、集計業務が頻繁にあるものなど、ターゲットを絞って導入徐々に拡大していくという形をとった。
成果について
"そもそも、われわれがxoBlosを導入したのは、調達上の改革を進めるうえでの施策の一環でしたが、結局は担当者の皆さんの現場業務ひとつひとつを変えることに直結しています。そういった意味で、現場の皆さんから「仕事が大きく変わった」と言われると、改革が前に進んでいる手ごたえを具体的に感じることができて、非常に喜ばしく思っています。"

INTERVIEW

個別に行われている非効率な集計業務で
全体像の把握が困難に

まず、貴部署の業務内容についてお教えください。
 当社は多彩なグループ企業を抱える企業で、大きなところでは原子力などの発電関係から、鉄道、家電製品、情報系まで、数多くの事業を展開しています。日立グループには現在11BU(ビジネスユニット)がありますが、われわれは日立製作所本社の部署として、そうした多岐にわたる事業において発生する材料や部品、ソフトウェアといった資材の調達、派遣スタッフの契約など、さまざまな調達業務を取りまとめています。
どのような課題があってxoBlos(ゾブロス)の導入をお考えになったのでしょうか。
 BUや事業体の調達業務を統括する中で、実績の集計や実績管理という業務があります。たとえば、原価低減を目的として、ハイレベルなKPI(目標指標)を設定していますが、それを集計する際に、BUや事業体ごとに指標が違っていたり、個別の集計方法を実施していたりして、全体像を把握するのにかなり苦慮していました。
 われわれの部署では、コンサルティング会社に依頼して、さまざまな業務の改革を進めていたのですが、その一環として、集計業務についても「もっと作業を簡素化できて、効率的な方法はないか」ということで相談していました。
 集計業務の内訳として、データ入力から集計管理まで、Microsoft Excel ®を使う場面が非常に多いことは把握していました。そして、個々のBUや事業体で、マクロで集計をしたり、独自のシステムを組んだり、Microsoft Access® を使ったりしていたのですが、結局は属人的なやり方なんですよね。それを全社に展開していくのは難しいですし、新たに全社的なシステムを構築するとなると、かなりコストがかかってしまいます。
 そんな中で、Microsoft Excel ®を活かした業務効率化製品xoBlos(ゾブロス)の存在を知り、コスト面でも折り合いがつきますし、属人的なものを廃止することもできると考えて、導入を検討することにしました。

丁寧に問題を解決しながら
段階的に導入を実施

xoBlosの導入時の状況についてお教えください。
 われわれの部署で行っている業務は多岐にわたっているため、そのすべてに対して、一気にxoBlosを導入するというわけにはいきませんでした。なので、段階的といいますか、たとえば品目がたくさんある集計や、集計業務が頻繁にあるものなど、ターゲットを絞って導入を始め、それを徐々に拡大していくという形をとりました。最初の導入までは、1年ちょっとかかったと思います。
 導入にあたっては、いろいろ苦労もありました。たとえば、各BUや事業体に数字を入れてもらい、それを集計するという業務の場合、入力すると意図しないエラーが出てしまいました。そこで、エラー内容の分析や、それを改善するためのマニュアルの作成など、問題に対してひとつひとつ丁寧に対応を進めていきました。また、BUや事業体によってデータの持ち方がバラバラだったので、データの仕様の統一やルール作りなどにも開発時間の多くを使いました。そうしてデータの仕様が標準化されたことで、今後のさまざまなデータ活用にも展開できる準備が整ったという点は大きいと思いますね。

集計業務の効率が格段に向上、
現場からも「業務が楽になった」の声が

導入後の効果はいかがでしょうか。
 xoBlosは、もともと利用していたMicrosoft Excel ®を入力インタフェイスとしてそのまま使えるため、データを登録する担当者にとっては、それまでと業務内容に変わりはありませんでした。そして、集計業務については、大幅に作業の効率化を図ることができました。
 海外を含めて調達部門で管理している事業体は300ほどあります。その300社に対して、調書を依頼して集計するという業務を行っていますが、グループ全体の調書を扱うにはあまりにも規模が大きいので、BUに中間で集計作業を行う担当者を置いてもらっています。xoBlosの導入によって、その集計作業の負荷が減り、現場の担当者たちからも「業務が楽になった」という声が届いています。実際、xoBlosの導入後は導入前と比べて、作業工数として7割ほど削減できたことが数字にも現れています。また、xoBlosのWebインタフェイスを利用して、メールを中心にやりとりしていた外部サプライヤとのコミュニケーションにも活用し、やりとりがスムーズに進むようになりました。
 そもそも、われわれがxoBlosを導入したのは、調達上の改革を進めるうえでの施策の一環でしたが、結局は担当者の皆さんの現場業務ひとつひとつを変えることに直結しています。そういった意味で、現場の皆さんから「仕事が大きく変わった」と言われると、改革が前に進んでいる手ごたえを具体的に感じることができて、非常に喜ばしく思っています。
今回の事例では、関係者が非常に多くいたにもかかわらず、皆さん協力的で、非常にスムーズに導入が進んだケースだったと感じています。その点につい て、何かポイントがあるのでしょうか。
 そうですね、関係があるとしたら、日立グループがテーマとして取り組んでいる「スマトラ(スマートトランスフォーメーション)」の効果でしょうか。
 リーマンショックの影響を受けて、2009年ぐらいから全社的に「変わっていこう」という意識を強く持つようになりました。スマトラは、より競争力の高いグループを目指して、日々の仕事の形や進め方を「全体最適」の視点で見直し、抜本的なコスト改革や業務プロセスの改革に取り組むというプロジェクトです。全社を挙げてこうした改革を進めるなかで、社内全体の意識が向上したことで、今回の業務改革も進めることができたといえるかもしれません。

xoBlosの機能を最大限に活用し
さらなる業務改革へ

今後の方針や展開についてお教えください
 まず、コーポレート集中管理業務への展開を検討しています。たとえば、調達社内研修においてアンケートを取る際に、Microsoft Excel ®でアンケートを展開し、収集、集計、レビュー結果の展開などに利用したいと思っています。
 また、これまでわれわれ調達部門が行ってきた改革をグループ会社業務へも展開し、個別の業務効率化をはかりたいと考えています。さらに、その改革のノウハウを事業として外販していくことも視野に入れるなど、より高い目標に向けて進んでいきたいと思います。
xoBlos導入後の業務プロセス
集中購買オペレーションの効率化のイメージ
xoBlos導入前は、事業所やバイヤー、サプライヤとデータの管理担当者が、メールを介してさまざまなMicrosoft Excel ®のデータをやりとりするという煩雑な業務形態でした。xoBlos 導入後は、各担当者がWebインタフェイスを利用してデータをサーバーにアップすることで、作業効率が向上し、リアルタイムでの集計業務も行えるようになりました。

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